INFPとは?考えすぎる理由と自分を取り戻すまで
本記事を読む前に
前回『インザメガチャーチ』で、澄香は性格診断の結果としてINFPだと知った。その描写から、現代社会における生きづらさや、繊細さゆえの葛藤が浮かび上がる。INFPに対しては「考えすぎる」「扱いづらい」といった否定的な印象を持つ人もいるかもしれない。しかし性格は欠点ではなく、理解次第でいくらでも可能性へと変わっていくものだ。そんな思いから、INFPという性格を丁寧に見つめ直してみたいと思い、本記事を書くことにした。
はじめに:INFPとはどんなタイプか
INFPは、性格検査の一つであるMBTIにおける16タイプのうちの一つだ。Iは内向(Introversion)、Nは直観(iNtuition)、Fは感情(Feeling)、Pは知覚(Perceiving)を意味している。外向的に自己主張するよりも内面の世界を大切にし、物事を理屈よりも感情や価値観で判断する傾向があるのが特徴だ。また、可能性や意味を重視し、柔軟に物事を捉える姿勢を持っている。INFPは「仲介者」と呼ばれることも多く、共感力が高く、人の気持ちに寄り添うことが得意な一方で、考えすぎて疲れやすい一面も併せ持っている。
序章:INFPはなぜ、こんなにも考えてしまうのか
言葉を深く受け取ってしまうという特性
INFPはよく「考えすぎる」「行動が遅い」と言われがちだ。しかしそれは、決断力がないからでも、消極的だからでもない。INFPは人と関わるたびに、相手の言葉そのものだけでなく、その裏にある感情や空気、発言に至った背景、さらには自分自身の価値観との整合性までを一度に受け取ってしまう。一言は単なる情報ではなく、多くの意味を含んだ“塊”として心に届くのだ。
何もしていないように見える時間の正体
そのためINFPは、外から見ると何もしていないように見える時間が生まれやすい。しかしその間、頭の中では思考と感情がフル稼働している。どう受け止めるべきか、どう返すのが誠実かを静かに検討しているのである。INFPが疲れやすいのは、怠けているからではない。人知れず内側で全力を尽くし、常に真剣に人と向き合おうとしているからこそ、エネルギーを消耗しやすいのだ。
序章を読んで感じたこと

INFPって、ほんとに考えすぎるんだよね。返事も遅いし、黙ってる時間も長く感じてしまう。

でもそれって、何も考えてないわけじゃないんだよね。一つの言葉から、感情や背景まで一気に受け取っちゃうからなんだよね。

そうそう。どう返すのが一番誠実かを考えてるうちに、時間が過ぎていく。

だから疲れやすいんだと思う。感受性が高くて、人にちゃんと向き合おうとしてる証拠だよね。

考えすぎるのは弱さじゃなくて、優しさなんだよね。

うん。静かだけど、内側では全力なんだと思う。
第1章:考えすぎる正体は「共感力の高さ」
共感力が生む、同時多発的な思考
INFPの思考過多の正体は、共感力の高さにある。相手の言葉を聞いた瞬間、INFPの中では「どんな気持ちで言ったのか」「何を求めているのか」「どう返すのが誠実か」といった問いが同時に立ち上がる。言葉を表面だけで受け取ることができず、その裏にある感情や意図まで含めて理解しようとするため、一つの発言が多くの情報を含んだものとして心に届く。
動けないのではなく、丁寧に向き合っている
その結果、INFPはすぐに行動へ移れないことがある。しかしそれは迷っているからではない。人を雑に扱わないために、どう関わるのが最も誠実かを静かに確認している時間なのだ。一言を軽く返すことができないのも、相手の存在や気持ちを大切にしているからこそである。考えすぎに見えるその姿勢は、優柔不断さではなく、深い思いやりと誠実さの表れなのである。
第1章を読んで感じたこと

INFPって、共感力が高いから一緒に話してると安心するよね。

うん。言葉がうまく出なくても、ちゃんと汲み取ろうとしてくれる感じがある。

その優しさはすごく魅力だけど、会話のテンポはゆっくりになりがちかも。

相手の言葉の意図を考えすぎちゃうんだと思う。一言一言を軽く流せないから。

でもそれって、人を雑に扱わないってことだよね。

そう。動きが遅く見えるのは、丁寧に向き合っている証拠なんだと思う。
第2章:前提が分からないと、返せなくなる
INFPが探しているのは「答え」ではなく「前提」
INFPがLINEやメールの返信に時間がかかるのは、「何を返すか」を考えているからではない。その前に、「この言葉はどんな前提で送られてきたのか」を理解しようとしているからだ。これは雑談なのか、相談なのか、それともただ聞いてほしいだけなのか。前提が分からないまま返事をすることは、INFPにとって相手を誤解したまま関わることに等しい。そのため、軽々しく言葉を返すことができなくなる。
無難な返事の裏にある誠実さ
前提が曖昧なままでは、返答の選択肢が無限に広がってしまう。だからINFPは、結果として当たり障りのない表現や、角の立たない言葉を選びがちになる。それは自己主張を避けたいからではなく、相手との関係性を壊したくないからだ。返信がワンテンポ遅れるのも、無難な言葉を選ぶのも、すべては誠実に向き合おうとする姿勢の表れである。INFPにとって沈黙や慎重さは、関心のなさではなく、思いやりの形なのだ。
第2章を読んで感じたこと

INFPって、LINEの返事ひとつでもすごく考えるよね。

うん。答えを探してるというより、この言葉が何を意味してるのかを考えちゃう。

雑談なのか、相談なのか、ただ聞いてほしいのかが分からないと止まるよね。

前提が曖昧だと、返し方の選択肢が増えすぎるんだと思う。

だから、明確な質問のほうが返しやすい。

そう。無難な返事になるのも、関係を大切にしたいからなんだよね。
第3章:仲介者としての強さと、その影
誰の立場も見えてしまうという才能
INFPは平和主義的で、対立が生まれる場面では自然と全体を見渡そうとする。相手の言い分だけでなく、その背景や感情まで感じ取れるため、誰か一人を一方的に否定することができないのだ。Aの正しさも分かれば、Bの苦しさも理解できる。その結果、どちらの側にも寄り切らない、ちょうどよい着地点を探そうとする。この姿勢こそが、INFPが「仲介者」と呼ばれる所以であり、人間関係を円滑に保つ大きな強みでもある。
上手く関われるほど、自分が分からなくなる
しかし、場を丸く収めるために本音を飲み込み続けると、次第に自分の立ち位置が曖昧になっていく。誰とでも上手く関われる一方で、「自分は本当はどう思っているのか」が分からなくなりがちなのだ。これは個性がないからではない。むしろ、個性を表に出す前に調和を優先しているだけである。仲介者であるINFPは、他人の間に立てるからこそ、自分自身の声を後回しにしてしまいやすいのである。
第3章を読んで感じたこと

INFPって、話し合いの場だと自然と調整役になるよね。

うん。賛成意見も反対意見も、どっちの気持ちも分かっちゃうから。

だから場は丸く収まるけど、自分の意見は後回しになりがち。

相手に自分を重ねすぎて、本当はどう思ってるのか分からなくなることもある。

それって個性がないんじゃなくて、調和を優先してるだけだよね。

そう。他人の間に立てる強さが、そのまま迷いにもつながるんだと思う。
第4章:感情を外に出せる場所を持つということ
INFPに向いている発散先
考えることが人一倍得意なINFPは、オタク気質や推し活、創作活動との相性が非常に良い。好きなものを深く掘り下げ、意味づけし、語ることは、INFPにとって自然な自己表現だからだ。そこには共通言語があり、「好き」という感情を遠慮なく外に出せる空間がある。人間関係で溜め込んだ感情や思考を、安全に放出できるこうした場所は、INFPの心を健やかに保つための重要な居場所となる。
感受性を守るための距離感
一方で、ネット上のコミュニティにはアンチや誹謗中傷といった悪意も存在する。共感力の高いINFPは、それらの言葉を真正面から受け取ってしまい、深く傷ついてしまうことがある。一度喰らうと、自己否定や活動停止につながりかねない。だからこそ、距離を取ること、ミュートやブロックを使うことは逃げではなく自己防衛だ。感受性を守る意識を持つことが、INFPが長く自分らしく活動を続けるためには欠かせない。
第4章を読んで感じたこと

INFPって、好きなものにハマると一気に世界が広がるよね。

うん。推し活とか創作とか、自分が話していいって思える場所だと無双できる。

感受性が強い分、プラスの感情もどんどん膨らむ感じ。

でもその分、ネットの一言に深く刺さることもあるよね。

些細な言葉でも、真意を考えすぎちゃうから。

だから距離を取るのは大事。守るための線引きなんだと思う。
学びと成長:感情の取捨選択が、アイデンティティを作る
感じやすさと向き合うことから始まる成長
INFPにとって最も大切なのは、自分の感情を整理することだ。共感力が高く、人と関わりやすいということは、それだけ多くの感情や情報を無意識に受け取っているということでもある。相手の気持ちや場の空気、言葉の背景まで抱え込んでいると、自分の本音がどこにあるのか分からなくなってしまう。まずは自分がどれだけ感じ取りやすい存在なのかを自覚し、その感受性と向き合うことが成長の第一歩となる。
感情の取捨選択が、自分らしさを形作る
すべての感情を大切にしようとする必要はない。「これは自分の感情か」「誰かからもらった感情か」「本当に大切にしたい気持ちは何か」を一つずつ選び直していくことで、自分の輪郭は少しずつはっきりしていく。INFPのアイデンティティは、外から与えられるものではなく、内側で丁寧に選び取った価値観の積み重ねによって形作られる。感じやすさを整理し、守り、活かせるようになったとき、INFPは自分らしい強さを手に入れていく。
最後に:静かなINFPは、弱いわけじゃない
INFPは声高に自己主張せず、即断即決もしない。その姿は時に弱く見えるかもしれないが、内側には揺るがない価値観と豊かな世界観を持っている。考えすぎる優しさも、仲介者として調和を選ぶ姿勢も、すべては人に誠実であろうとする心の表れだ。自分の感情を整理し、必要な距離を取り、好きなものにエネルギーを注げたとき、INFPは静かに、しかし確実に自分らしく輝き始める。
静かでも、迷っていても、その優しさは確かに力になっている。

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