“並ばない万博”のススメ─ゆったり満喫した一日
序章:人気パビリオンの断念
憧れのイタリア館、まさかの大行列
アメリカ館を出た後、以前から気になっていたイタリア館へ向かった。しかし、到着してみると想像をはるかに超える長蛇の列が続いていた。係の人に待ち時間を尋ねると「7〜8時間待ち」との答え。思わず耳を疑った。この日は17時には会場を出なければならず、どう考えても入場は不可能。残念ながら断念するほかなかった。期待が大きかっただけに、悔しさがこみ上げた。
切り替えの決断、新しい楽しみ方へ
しかし、せっかくの万博。人気パビリオンだけが魅力ではないと気持ちを切り替えた。無理に並ぶより、会場全体の雰囲気をゆっくり味わうことにしたのだ。混雑を避け、自分のペースで歩けば、思いがけない出会いや体験が待っているかもしれない。そんな期待を胸に、気持ちを新たに次のエリアへと足を進めた。
第1章:初乗り!eMover
未来の移動体験、eMoverに乗車
人気パビリオンは諦め、次はゆったりと万博を味わうことに決めた。そこで目に留まったのが、会場内を走る次世代モビリティ「eMover」。せっかくなので初乗りしてみることにした。大屋根リングの下を抜け、海沿いの道を走るコースは、まるで未来都市を巡る観光バスのよう。潮風を感じながら進むその時間は、混雑を忘れるほど心地よく、特別な移動体験となった。
東ゲートで出会う近未来の景色
eMoverは西ゲートから東ゲートまでをつなぎ、乗っているだけで会場全体を見渡せる。目的地に着くと、そこには近未来的なデザインのバス停が出迎えてくれた。ガラス張りの構造と整然とした空間は、まるでSF映画の一場面のよう。技術とデザインが融合した世界観に感動しながら、「万博の真髄はこういう発見にある」と実感した瞬間だった。
第2章:贅沢空間でランチ&昼寝
大屋根リングの上で味わうおにぎり
東ゲートに到着後、再び大屋根リングへ上る。眼下に広がる景色はまさに絶景で、会場全体が一望できた。歩き疲れたので、近くの芝生エリアに腰を下ろし、買ってきたおにぎりを食べる。持ち込み自由の万博ならではの過ごし方だ。開放的な空の下で食べる昼ごはんは格別で、風と太陽の温もりが心を満たしてくれた。
芝生で過ごす至福の昼下がり
食後はリュックを枕にして芝生に寝転がり、しばし昼寝を楽しむことに。遠くで聞こえる人々の笑い声と、心地よい風がまどろみへと誘う。人気パビリオンを巡るのも魅力的だが、こんな穏やかな時間を過ごせるのも一日券の醍醐味だと感じた。何にも追われず、ただ心がゆるむ瞬間——これこそ本当の“贅沢空間”だった。
第3章:大屋根リングから見た景色
世界が集う空間を見下ろす
昼寝から目を覚ますと、再び人々の熱気が会場を包んでいた。大屋根リングの上を歩きながら、パビリオンを見渡すことに。屋上が庭園になっていたり、ステージでショーが行われていたりと、各国が趣向を凝らした演出を展開している。多様な文化と人が交わる光景に、「これが万博の本質だ」と心から感じた。
人と未来が交わる場所
リングの上から眺める景色は、世界中の人々の情熱が形になった空間そのものだった。歓声や笑顔が溢れ、未来への希望がそこかしこに感じられる。単なる展示ではなく、文化交流そのものが生きている。そんな風景を眺めながら、自分もその一員であることに喜びを覚えた。大屋根リングは、まさに「人と未来をつなぐ架け橋」だった。
第4章:ミニステージ&お土産
多彩なパフォーマンスに熱気あふれる
帰路につこうと歩いていると、ミニステージからにぎやかな音が聞こえてきた。近づくと、バスケとラップを融合した迫力あるパフォーマンスが繰り広げられ、大きな拍手が起こっていた。その隣では、アイドルスクールの子どもたちが元気いっぱいに歌い踊っている。観客や保護者の笑顔があふれ、誰もがそれぞれの“万博”を楽しんでいた。
最後のお楽しみ、家族へのお土産
ステージの余韻を胸に、最後に立ち寄ったのは公式ショップ。店内は人であふれ、まるで満員電車のような混雑ぶり。それでもお土産を選ぶ時間はワクワクが止まらない。家族へのおみやげとしてカプセルトイを購入し、「何が入っているのだろう」と胸を弾ませながら会場を後にした。一泊二日の万博旅を締めくくる、最高のフィナーレだった。
学びと成長:焦らず歩くことで見えた“本当の豊かさ”
計画を手放して見つけた自由
今回の万博体験を通して、私は「楽しむことに正解はない」という大切な気づきを得た。最初は人気パビリオンを巡ることが目的で、行列に並んででも有名な展示を見ようとしていた。しかし、イタリア館の“7〜8時間待ち”という現実に直面し、思い切って計画を手放したことで、かえって自分らしい時間を見つけることができた。eMoverに乗って風を感じたり、芝生で昼寝をしたり、ステージで踊る人々を眺めたり──どれも予定にはなかったが、心を動かす瞬間ばかりだった。
焦らず歩くことで見えた豊かさ
人が作り出す熱量や自然の心地よさ、そして“今この瞬間を味わう”ことの大切さを改めて実感した。この経験を通して、何事も「効率や人気」だけで判断するのではなく、自分のペースで歩き、心が惹かれるものを大切にする生き方の豊かさを学んだ。焦らずに過ごす時間の中にこそ、本当の発見と成長がある──そう感じられた一日だった。
まとめ~感謝~
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
行列を避けて見つけた小さな発見や、心がほぐれる瞬間を、少しでも皆さんと共有できたなら嬉しいです。
万博は人それぞれの楽しみ方がある場所。
この体験記が、あなたの「自分らしい過ごし方」を見つけるきっかけになれば幸いです。
これからも一緒に、心が動く瞬間を探していきましょう。


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