変な家 ~ネタばれ注意~

読書・本の要約

こんにちわ、ゆたかです。

今日は、変な家を読んでいくよ。

2024年に映画化もされた

話題の作品ね。

家の間取り図にある違和感の謎を解いていく新感覚のミステリーなんだ。

第1章.いびつな間取り図

筆者の雨穴は、最近結婚した小林から新居について相談される。そこは立地、価格共に申し分ないが、歪な間取りをしている「変な家」なのです。それは、一見普通に見えますが、よく見ると不自然な点が多数存在します。1階には不要な空間が意図的に作られており、2階の子供部屋には窓がなく、二重扉でトイレが備え付けになっているのです。雨穴はその間取りを不審に思い、設計士の栗原に相談します。栗原はこの間取り図からある恐ろしいストーリーを想像します。それは「子供を使った殺人ハウス」実は1階の謎の空間は2階の間取りと重ねると、2階の子供部屋と浴室を繋ぐ隠し通路になる事を突き止めたのです。栗原のストーリーはこうです。客人を飲んで酔わせた後、浴室に案内します。すると、親は子供に合図をおくります。隠し通路を通って浴室に侵入すると裸の客人を殺害するといった具合です。この真相を探るために、雨穴はこの間取り図を公開して情報を得ようと試みます。そこで出会ったのが宮江柚木という女性でした。

ここでは、変な家についてたくさんの考察が出てくるよ。

確かに、子供部屋に窓がないのは不自然よね。それに二重扉、まるで誰かに監禁されているみたい。

当初はそんな憶測もあって、真相はまだ分からなかったんだ。でも柚希と出会って真相に迫っていくよ。

第2章.謎の女性
宮江柚希は、雨穴の掲げた「変な家」を見て、夫が同様の間取りを持つ家で殺害された可能性を訴えて雨穴と連絡を取ってきます。最初はメールを通して雨穴に接触し、その後、実際に会って話をします。彼女が持ち込んだ埼玉の家の間取り図にも子供部屋に窓はなく、トイレは備え付けになっているなど、東京の家との類似性がみられました。ところが栗原が殺害された宮江を調べると結婚歴がない事を知ります。そこで宮江柚希を問い詰めてみると、本名は「片淵柚希」という名前で、彼女は「変な家」に以前住んでいた片渕綾乃の妹でした。片淵柚希は綾乃の行方不明の真相を知るために雨穴に接触したと話します。そこから、片淵家にまつわる風習について調べていく事になります。

同じような間取りの家が埼玉にもあったなんて驚いたね。

偽名だったのも驚いたけど、以前住んでいた人の妹なんてね!

一気に真相に迫りそうだね。ここから片渕家について調べていくよ。

第3章.片渕家にまつわる風習
片渕家では、長年にわたり家系に不幸を招くとされる「左手」を切り離して供養するという「左手供養」が行われていました。それは、左手のない子供が生まれると暗室で育てられ、10歳から13歳までの間、年に一度、片淵清吉の血を引く者を殺し、その左手を切り取って「潮」の仏壇に供えるという供養儀式です。子供には兄姉、または年の近い親族が後見役を務める必要があります。その影響で異様な家の構造が作られたのです。外部から遮断された部屋や監視を前提とした間取りは、家族内の支配や犠牲を象徴しています。

左手供養は恐ろしい風習だね。

子供が毎年、人を殺すなんて考えるだけで怖いわ。

それを家族で監視するんだからね。精神的に狂ってしまいそうだよ。

でも、何でこんな風習が生まれたのかな?

そこには片淵家の歴史が関係してくるよ。ここからさらに、真相に迫っていくよ。

第4章.片淵家の歴史

かつて片淵家は、複数の事業で莫大な財産を築きました。その成功に最も貢献したのが片淵嘉永でした。嘉永には3人の子供がいました。宗一郎、千鶴、清吉です。この中で能力的に後継者に相応しいのは間違いなく清吉でした。しかし、清吉は正妻の子ではなく、妾の子でした。世間体を気にした嘉永は宗一郎に家を継がせました。嘉永としては清吉に家の実権を握らせたかったが、清吉は独立して事業を立ち上げます。こうして清吉を主とする片淵分家が誕生するのです。清吉の事業は瞬く間に成長し、22歳の若さで結婚し子供をもうけます。一方で本家の方は、相変わらず嘉永が実権を握っていました。宗一郎も父の勧めで世話人の潮と結婚し、父の後を継ぐために必死に勉強しますが、父には及ばず、優秀な人材は次々と去っていきます。そして、宗一郎は妹の千鶴との間に子をもうけてしまいます。それに対して清吉は宗一郎を叱責し、本家の財産を分家が吸収していきます。潮は宗一郎と千鶴の3人と貧しい生活を送ることになり、次第に潮の心は病んでいきます。最終的には左手を切って自殺するのですが、千鶴から生まれた双子の1人が左手を失った状態で生まれてきたのです。これは潮の呪いだと信じた宗一郎は呪術師を雇います。そこで恐ろしい左手供養の風習が生まれたのでした。

変な家は片淵家の風習が背景にあったんだね。

呪いに翻弄された一族の悲しい風習ね。

人が信じ込む力の恐ろしさが伝わる話だったね。

でも、実際に綾乃さんは変な家に住んでいたのよね。実際に殺人は行われたのかな?

まだ分からないことも多いよね。

それでは、最終的に片渕家はどうなったのか?

第5章.変な家の真相

さて、変な家は何のために作られたのでしょうか?潮の呪いを解くために作られたという事で間違いないのですが、実は一度も殺人は行なわれていません。柚希の姉、片淵綾乃は従弟の桃弥くんを殺人鬼にしないために、片淵本家に作らせたのが、変な家だったのです。片淵本家で殺人をする事になっては因習から逃れられない。少し離れた埼玉の家で殺人をする事になれば、遺体から左手を切断すれば、本家を騙せると思ったのです。結果として、一度目の左手供養はなんとか成功しますが、その遺体が新聞で出た事によって、犯行がバレてしまいます。そこで片渕綾乃、慶太夫婦は本家に呼び戻される事になりました。もう逃げられないと悟った慶太は片淵本家を抹殺してこの因習に終止符を打ってこの物語は完結します。

左手供養の結末は本家の崩壊という形になったね。

綾乃夫婦は最後まで桃弥くんに殺人をさせなかったのね。

最後は殺人を犯すことになってしまったけど、慶太の強い思いを感じたね。

家の間取りは住む人の気持ちが形になる物よね。

変な家を読むことで、人が間取りに描く思いを知ることが出来たね。

間取りの違和感に隠された真相がどんどん知りたくなる新しいミステリー体験だったわ。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました